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混声合唱とピアノのためのソナタ第2番 について②

  こんにちは!


本城先生率いるパナソニック合唱団さん委嘱作品


混声合唱とピアノのためのソナタ第2番 について、前回の①では、私が声楽作品における器楽の形式を応用してきた理由をお話しました。


 先日すべての楽章が作曲できたので、1楽章から順に曲についてお話をしていきたいと思います。


第1楽章は、アルマンドとソナタ形式の掛け合わせです。


なるべく短い言葉数で説明するのは難しいですが、以下、アルマンドとソナタ形式について説明しながら、今回の創作についてお話ししたいと思います。


 アルマンド(allemande 英、仏)はフランス語で「ドイツの」という意味で、一般的には古典組曲の第1曲目が定席です。多くは4/4拍子で(2/2のものもあります)、通常は16分音符または8分音符で1つあるいは3つのアウフタクトを伴い、全体が16分音符で流れていくような比較的中庸のテンポの舞曲です。前半と後半がほぼ同じ長さの2部分による形式です。

 元々は、16世紀頃、2拍子系の音楽に合わせて何組もの男女が一列になってステップを踏見ながら進んでいくタイプの比較的遅めの踊りでした。17〜18世紀になり、装飾音を用いたり音符が細かくなったりして、踊りのための伴奏音楽から、器楽曲として発展してきました。クープランやバッハやヘンデルの鍵盤音楽のための楽譜をみるとお分かりいただけると思います。



 次はソナタ形式です。形式の前にソナタという言葉について説明したいと思います。ソナタ(sonata 伊)は、鳴り響くという意味のソナーレ(sonare 伊)から生じた語で、声楽曲を意味するカンタータに対して、器楽曲という意味で用いられていました。そのため、そもそも決まった形式の楽曲を意味してはいませんでした。

 おおよそ古典派の時代に、3〜4楽章からなる組曲としての、いわゆる「ソナタ」の様式が成立したと考えられます。その中でも、第1楽章でよく用いられた楽曲形式があり、それを「ソナタ形式」と呼ぶようになりました。現在では概ね、提示部・展開部・再現部による、3部分から成る形式として捉えられています。それぞれの部分をもう少し見てみましょう。


提示部は、主調による第1主題と、多くは属調(短調の場合は平行調)による第2主題が提示される。

展開部は、提示部で用いられた要素などが展開・発展される。

再現部は、主調による第1主題と第2主題が再現される。

 

というものですが、

調的対比という意味において第1主題と第2主題が同じメロディであるもの、その逆で主題の対比が重要視されるもの、アルマンドなどの舞曲や2部形式の名残として展開部がないもの、繰り返し記号が付いているものやそうでないものなどなど、時代背景や作曲者によって様々なものです。


(実は、アルマンドとソナタ形式は、形式として、実は関連があるのです!)


※当ブログでは詳しい背景や変遷は掲載しませんので、詳しくお知りになりたい方は専門の書籍などをご覧いただきたいと思います。)

 

 長くなりましたが、今回の作品は、器楽の方のアルマンドの特徴とソナタ形式を掛け合わせています。


 次回は、第1楽章について、詩をどのように扱い、どのような音を書いたかというお話をしていきたいと思います!

 


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