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混声合唱とピアノのためのソナタ第2番 について④ 第2楽章について

 こんにちは!


本城先生率いるパナソニック合唱団さん委嘱作品


混声合唱とピアノのためのソナタ第2番 について、前回の③では、第1楽章について、詩をどのように扱い、どのような音を書いたかという話を、作曲手順を含めて書き表しました。


今回の④では、第2楽章について少しずつお話ししていきます。


 第2楽章は、クーラントと変奏曲の掛け合わせです。そして、後から説明しますが、「模倣」も取り入れています。さらに、「言語における変奏≒言語の変換」として日本語の詩を英語とラテン語の翻訳をしたものを使用しています。このことは、このソナタ第2番の作品の大きな特徴の一つであり、私のいままでの作品の中の初めての試みです。


 今回は、クーラントと変奏曲について、少しお話をします。


 まずクーラントについてお話をしたいとともいます。クーラント(courant 英、courante 仏)は「変奏」を伴うことも多い曲種で、古典組曲の2曲目を定席とします。言葉としては、走る・流れる・揺れるなどの意味を持つクリール(curir 仏)から派生した語で、大きく分けて二つのタイプがあります。


 一つはフランス式クーラント、もう一つはイタリア式クーラントでコッレンテ(corrènte 伊)ともいいます。元々は同じ舞曲でしたが、17世紀末ごろには違いが明らかになっていったそうです。

 

 フランス式クーラントは早くはなく(どちらかというとゆったりとした)3/2拍子(あるいは6/4拍子)でどちらかというと多声的(模倣で始まることが多い)で、

イタリア式の方は3/4や3/8拍子などで軽快で和声的であり、器楽曲として発展しました。

 フランス式の大きな特徴として、小節単位が6や9や12小節のまとまりでできているものが多いことが挙げられます。また、1小節を3拍で感じられるところと、2拍で感じられるところの両方を持ち合わせていることが挙げられます。


 変奏曲は、主題(テーマ)とそのいくつかの変奏でできている楽曲です。変奏とは、主題の旋律・リズム・和声・拍子などを変えたり、様々な装飾をしたり、対位法的な処理をしたりする技法ことです。変奏曲というと一般的には、「きらきら星変奏曲」の名で親しまれているモーツァルトの作品が有名ですね!

 

 ということで、クーラントと変奏曲についてお話をしました。


 次回⑤では、実際に2楽章でどのようにそれらを扱ったか、言語についてもどのような処理をして曲に結びつけたかをお話ししていきたいと思います!



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